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色相と彩度と明度

Three Attributes of Color | 色の三属性

私たちはいつも色彩(光)の中で、暮らしています。瞳を閉じていても光を感じる
ことができるのは、それが、波の性質を合わせ持っているからです。
波長が短い(380ナノメートル)の青紫から、波長の長い(780ナノメートル)の赤まで
を可視光線といい、その連続した色調の違いを色相(Hue)と呼んでいます。
色彩の認識における三属性の一つであり、光のスペクトルとして環状に表したもの
が色相環といって、配色などをするときの基本として使われています。
例えば、色相環で隣接している色相どうしは、まとまりのある落ち着いた印象にな
りますが、やや変化が感じられません。少し距離(30°~40°程)のある類似色相どうし
の組み合わせは、共通性、親近感を演出します。色相環で反対の位置(180°)の色相を
補色といいますが、補色どうしの配色は、互いの色を強調してコントラストが強く
深い印象を残しますが、刺激が強く、目がチカチカしてしまうことがあります。
このように、色彩の理解には、
色の三属性(Three Attributes of Color)の知識が役立ちます。

赤というと真紅の薔薇を思い浮かべる人もいれば、食卓に並んだ瑞々しいトマトを
イメージする人もいると思います。赤といっても、その色み・鮮やかさには違いが
あります。
彩度(Saturation, Chroma)とは、色彩の色み・鮮やかさの度合いのことです。
有彩色(Chromatic Color)と無彩色という言葉があります。無彩色とは、色彩りのない
白と灰色と黒、明度の違いだけで表現され、色相と彩度を持ちません。
白と灰色と黒の無彩色以外を有彩色といって、色の三属性の変化で色が一つ表現さ
れます。通常、彩度が高いと色みが強く、鮮やかになり、彩度が低いと色みが弱く、
冴えないおだやかな印象になります。彩度の最も高い色を純色といって、前述の色
相の中心であり、彩度は、純色(Pure Color)から、彩度0(Zero)の無彩色(Achromatic
Color)までの色彩で表現されます。

油絵を描いていると、色を明るくしたいとか、この画面に光を入れたいと思ったとき、
白の絵具を、また、色合いをトーンダウンさせたいときや、陰影を付けて、より
光と影の魅力を際立たせたいと感じたときは、黒の絵具を使います。このように、
色彩の明るさ・光と影を表すのが、三属性の一つ、明度(Value, Brightness)です。
明度には、高くなると爽やかな、カジュアルな感じを、低くなると静かな、リッチな
感じを演出する効果があり、また、立体感や遠近感を表現する上で、とても重要な役
割をしています。
光と影の画家として知られるレンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Riji)の絵
は、明と暗の技法が特徴的です。
ファンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の描いた”ひまわり(Sunflowers)”は、
とても強く印象に残りますが、有彩色で、最も明度の高い純色は、黄色なのです。

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